フランス政府給費留学生制度(2018-2019年度)とは
こんにちは、サヨコです。
昨日は気温が30度近くまで上がって、今日は7~8度下がる予報で、身体が気温変動に追いつきません。
夏バテですかね?これは老化ですかね??
さて、今日はフランス政府給費留学生制度(理系・2018-2019年度)についてお話しします。
先にお断りしますが、個人的見解を述べますので100%正しいとは思わないでくださいね!
フランス政府給費留学生制度とは?
フランス政府給費留学生制度は、フランス留学(修士課程、博士課程、ダブルディグリープログラム)およびフランスでの研究を希望する日本人学生を対象としています。給費生は日仏審査員による書類審査と面接試験により選抜されます。受験者には詳細な研究計画の提出が求められます。また、フランスの受入機関と事前にコンタクトをとっておく必要があります。選抜された給費生には、6ヶ月から12ヶ月の給費が与えられます。
フランス政府給費留学生制度は日本だけでなく、フランス留学を目指す世界各国の学生を対象としています。
各国のフランス大使館によって審査され、選抜された学生たちはフランスの国の援助を受けながら留学することが出来ます。
給費内容は、給費年度、理系・文系か、学士・修士・博士か、によって異なるようです(過去記事参照)。
私の場合(2018-2019年度・理系・修士)、給費月額767ユーロ・社会保険料・学費を10ヶ月、往復航空券(エコノミークラス)が支給される予定です。
選考の審査基準は?
選考は書類・面接の2段階審査です。
それぞれの審査基準について、ホームページを参照しました。
第1次選考 書類審査
審査基準は以下の通り
留学・研究計画の質の高さ
フランス語力ならびに(または)英語力
第2次選考 面接試験
- 試験会場
面接試験は東京で行われる。
東京から約500キロ以上離れたところに居住する者は、オンラインによる面接(Skype)を受けることが可能。ただし事前の接続テストで問題がある場合、受験者は東京会場で受験しなければならない。試験当日インターネット接続の不具合によるトラブルが生じても審査委員会ならびにフランス大使館は一切の責任を負わず、再試験は行わない。
- 面接試験
面接試験は受験者の口頭発表と質疑応答により行われる。使用言語は受験者がフランス語または英語を選択する。当該分野の日仏専門家とフランス大使館代表者から成る審査委員会が、これまでの研究活動及びフランスでの研究計画(研究テーマ、問題意識、受入希望機関の指導教官とのコンタクト、モチベーション、キャリアにおける留学の意義など)を審査し、その内容と、コミュニケーション能力を評価する。
審査基準は以下の通り
研究計画の適切さ
研究テーマの理解
キャリア計画
研究計画の文章力及び口頭発表力
フランス語力ならびに(または)英語力
提出書類に含まれる研究計画書については、コンタクトを取っていた指導教員に添削をお願いしました。
また、推薦書は複数の方々に書いてもらったものを提出しました。
(ホームページでは1人でないとダメとは書いていなかったので、反則ではなかったはず、、、!)
そして、面接での言語についてですが、私が試験会場の控え室にいた時、フランス語で面接した学生たちがいたようで、理系でフランス語が使えるというのは特に強みにならないなという印象を持ちました。
面接会場の一室に入ると、日本人とフランス人の面接官が5人程度待っていました。
日本人は旧給費生として留学し、恐らく学者として活躍されている方々で、フランス人はフランス大使館科学技術参事官とその関係者でした。
面接では、以下の4点を質問されました。
- (日本人)ワインの研究をするということだが、アメリカでも研究が進んでいるのでは?フランスで学ぶ理由は?
- (日本人)日本のお酒として日本酒が有名だが、ワインの研究を通して日本酒の品質向上の一助となることは可能か?
- (フランス人)履歴書によると、フランスで半年のインターンシップを経験したということだが、これは在学していた大学で必修なのか?
- (フランス人)博士課程に進学希望ということだが(当時の話です)、博士として進学するためには多額の奨学金が条件だ。他の奨学金には申請しているのか?
日本人面接官の質問は、研究内容を深く突っ込むようなものではなく、なぜフランスで留学をする必要があるのか、留学で得る知識をどのように活用できるのか、というようなものでした。
フランス人面接官は、行政の立場から必要な情報を得たいという意図があったと思います。
申請・審査準備の流れ
私がこの制度に選抜されるまでの流れを、時系列で説明します。
2017年5~8月 指導教員探し・推薦書と履歴書準備
2017年9月 研究テーマの話し合い・提出書類準備
2017年9月30日 書類提出締め切り
2017年10月18日 書類審査結果のメール
2017年11月末 急いで面接のプレゼン準備
2017年12月4日 面接審査
2018年1月23日 面接審査結果のメール
準備にあたり、協力をしてくれそうな人たちに遠慮のカケラもなく頼みまくりました。
特に面接の準備では、英語チェックのため留学生の友達と練習しました。
ついでに数年前に英語のクラスの先生から教えてもらった、英語面接のコツも備忘録を兼ねて書きたいと思います。
- 自己紹介の時は、自分の性格を3つ程度の単語で説明する。
(例)
I think there are three words that can describe me very well.
First, curiosity.
I am strongly interested in discovering new things.
This picture was taken during my travel in Taiwan.
The things that I have never seen make me excited, and I am eager to try them, traveling foreign countries for example.
Next, ... - 自分の短所を述べる時は、問題点を挙げた後にそれらをリカバーするための対策も同時に説明し、長所につなげる。
- 答えるのに難しい質問がある場合は、時間稼ぎをする。
(例)
That is a good question.
Let me think of it a little, please. - 面接の最後に自由質問の時間がある場合は、自分をアピールできる質問をする。
科学部門フランス政府給費留学生の会(ABSCIF)について
フランス政府給費留学生として留学した学生たちの同窓会が、理系・文系それぞれあります。
フランス政府給費留学生の会 - La France au Japon
理系:
文系:
理系の場合、留学後自動的にABSCIF(l’Association Japonaise des Anciens Boursiers Scientifiques du Gouvernement Français)に所属することになります。
科学部門フランス政府給費留学生の会(ABSCIF)はその名の通り、フランス政府の給費を受けて留学した自然科学分野の研究者の集まりとして1979年に在日フランス大使館科学部(現科学技術部)の協力を得て設立され、フランス政府給費による日本人留学生の会としては最も歴史が古く、会員数も多い団体の一つです。
ABSCIFは自然科学分野での日仏間の親善に寄与し、併せて会員間の親睦を深めることを目的としており、シンポジウムや会議を開催し、研究者、エンジニア、在日フランス人留学生との間の交流をしています。
祝賀会では、ABSCIFの結束力が強いという噂を聞きましたが、実際どのような雰囲気なのか、これから見てみたいと思います。